卓球：　凡人な。すなわちコイツ“まりん”のことなんだけど。

まりん：　何、どういうことよ？

卓球：　この前、瀧と二人で話したんだよ。「まりん程“凡人”って言葉が似合う奴はいない」ってな。

瀧：　オマエさあ、何してる？　休み。

まりん：　休み？　……う〜ん、これといって何もしてないけど。掃除や洗濯かな。

瀧：　それは誰でもやってんだよ！（笑）

卓球：　で、コイツはさあ、テレビも見ないだろ？　音楽も聴かないし。

瀧：　ほら“家でボーッとする”ってよく言うじゃん？　例えばオレだったら雑誌を見たり、テレビを見たりする。 だから、“ボーッとしてた”という言葉の中にそういう事が含まれてるわけだよ。

卓球：　オマエ、実は本当に何もしないでボーッとしてるんじゃないの？

まりん：　うん。ベッドの上に座ってじっとしてる。

卓球：　（笑）やっぱりな。想像つくわ。外人にその状況を見せても「オー、ボーットシテマァス」って納得させてしまうくらいのな。

瀧・まりん：　（爆笑）

まりん：　動物的なボーッと仕方あるでしょ？　アレに近いもんがある、僕の場合。

瀧：　ウチの猫がな、オレが帰ってくると玄関に「ニャー」って鳴きながら出てくるんだよ。とりあえず床にチョンと座って。 ……ほら猫って座るとき手を胸の下にしまうじゃん？　で、寝るでもなくオレのことをボーッと見るんだよ。 丸くなってると“あ、寝てるんだな”って分かんだけど、そうじゃないときってあるじゃん？　猫特有のボーッと仕方。 オマエはソレか？　ちゃんと手しまってる？

まりん：　（笑）いや、手はしまってないけど。……とりあえずタバコを吸って、お茶でも飲んだりしてさ。

瀧：　オレたちってさ、だいたい夜の12時頃に仕事が終わってそれから遊びに行くわけじゃん？　 それなのにオマエはその遊びにつき合うわけでもなく、ボーッとし続けて。

まりん：　何の情報も入ってこないからね。

瀧：　それじゃあ、アタマ悪いわ（笑）。

卓球：　アタマ悪い（笑）。クックックッ。

まりん：　いや、でもさあ、本当にやることないんだよ。CDを聴いてもそんなに熱中する程いいヤツって月に1枚か2枚位しかないしさ。

卓球：　あーなるほどね。YMOと、クラフトワークと、ディーヴォと、アートオヴノイズ……あとXTCか。

まりん：　いいじゃんかよぉ！

瀧：　じゃあ参考として他の人にも聞いてみよう。何してます？　家帰って。

担当：　やっぱりファミコンとかですか？

瀧：　でしょ？　まりんっ！　これが普通のボーッと仕方なんだよ。

まりん：　でもさあ、別に恥ずかしいことしてるから人に言えないってわけじゃないし、本当にすることがないんだよ。

瀧：　それだ！　恥ずかしいこと。オマエは恥ずかしいことをしないのがダメなんだ。オレたちを見ろ！　ソープにも行く、ヘルスにも行く。 SEXだってちょっと人並はずれたアブノーマルなプレイもしてみたいと思う！　……オマエにはそれがないんだよな。 ソープもヘルスも行かない。SEXも正常位しかしない。あげく寝化粧はするし（笑）。

卓球：　（笑）寝化粧な。

瀧：　ヘチマ・ローションで（笑）。

卓球：　コイツの場合、読者のみんなが描いているイメージと現実ってほとんど差がないからな。 ……ほら、よくまりんがクマのぬいぐるみを抱いたイラストって雑誌とかに送られてくんじゃん？　アレに近いよ、マジで。 たまに夢を見たと思えば強くなった夢だったり。

まりん：　そんなこと言ったか、オレ？

卓球：　夢と言えばコイツさあ、仕事でその日初めて顔を合わしたときに話すんだよな。延々昨日見た夢を。夢なんてさあ、もともと支離滅裂じゃん？　 それを一生懸命楽しそうに、目を輝かしてさ。

瀧：　「聞いて、聞いて！　昨日の夢がさあ、○○しちゃってさあ」とか意味の分かんねえことを。うるせえってんだよ。

卓球：　（笑）で、オレも話し半分で適当に聞いてりゃ調子に乗って「でさ、でさ」って続けやがってな。全く。

まりん：　もういいじゃんかよ！（怒）

瀧：　いいや、よくないね！（笑）

卓球：　だからさあ、オレたちもオレたちなりにまりんのことを思って面白いビデオや本を勧めてんじゃん。

瀧：　いきなり難しいヤツってのもなんだから、とりあえず『スターウォーズ』から見ろって言ってみたりな。

卓球：　オレなんか気を使って20歳過ぎの男に勧めた本が『ボッコちゃん』だぜ？

瀧：　まず活字になれろってことでな。

卓球：　水泳で言えば“面付け”だ。

瀧：　なのにコイツはそれすらもやりゃしねえ。……まあ、いいんだよ。いいんだけど、不思議。

卓球：　不思議人間だな（笑）。

瀧：　あとさ、まりんの家にさ、遊びに行きたいと思わないんだよな。な〜んにもなさそうじゃん。楽しいことが。 電気グルーヴのメンバーの家に遊びに行けるとしたら誰の家に行きたいですか？って人に聞いたら、大抵の人はコイツ（卓球）って言うと思うんだよ。 楽しそうだし。

卓球：　そうかあ？　まあ、瀧の家はクーラーがないしな。

瀧：　まあな。ウチは温室だから（笑）。

卓球：　コイツの家はあまりの暑さに飼ってる猫が背中のチャックを開けたってぐらいだから（笑）。

全員：　（爆笑）

卓球：　瀧が家に帰ったら猫のぬいぐるみが干してあったっていうじゃん。 で、ハゲ頭のオヤジがタバコ吸って「お、すみません」って言って急いでそのぬいぐるみを着たって話だぜ？

瀧：　アタマの部分もかぶって、チャックを急いで閉めて「ニャ〜ン」だって。

卓球：　（笑）そんぐらい暑いんだよ。

瀧：　まあ、話しはそれちゃったけどさ、オマエも家に帰って何かすることを見つけて、少しでも興味のあることを見つけて、もっと遊ばないとさ。

卓球：　そうそう女の子に嫌われちゃうよ。

まりん：　わかったよ（かなり疲れてる）。