まりん：　もう20回だよ、20回。

卓球：　早いなあ。そういえば第1回目はまりんの問題発言“良徳砂原”ってのがあってな。コイツったらもう……。

瀧：　オマエら百万回言ってんな。それ。

卓球：　いいんだよ、最初の挨拶なんだから。……ところでさ、もうすぐ四月じゃん？　今回はそういう新学期とか就職なんかについて話そう。 ……なんかそっち関係で思い出話とかある？　君たちは。

まりん：　クラスがえとかあったじゃん？　あれが嫌だったなあ。

卓球：　クラスがえな。ディープだわ。

瀧：　ディープといえば、就職！　浮ついた学生気分を一気に吹っ飛ばされんじゃん。仕事だぜ？　ジジイ相手に。

卓球：　いいなあ、その仕事イコール、ジジイって発想（笑）。でもファンシーショップで働いてる人はどうなんだよ。

瀧：　ファンシーショップの仕事もジジイだよ。仕事相手は全部ジジイだジジイ。

卓球：　（笑）でもさ、『ふぞろいの林檎たち』ってドラマあったじゃん？　あれで時任三郎と柳沢慎吾が務めてた会社があっただろ。足で稼げって感じの。

瀧：　うんうん。でも実際、あんな会社ばっかだぜ？　やってらんなくねえ？

卓球：　確かにな。……でもさあ、オレ昔に無理矢理社員にされたことがあんだよ。 ある日突然「石野くん。君は明日から保険証が変わるから」って言われてさ、よく見たら保険証が白くなってんの。社会保険がもれなくついちゃってさ。

まりん：　（笑）凄いね、それ。

卓球：　でさ、年金って勝手に引かれんじゃん？　気の効くことに“貴方が将来貰える年金の額は……”って通知がくんだよ。 で、見てみたら“73円です”だって。いらねーっつーの（笑）。

瀧：　年金かあ。オレ一回も払ったことねえな。……手帳だけはあんだけど。

卓球：　手作りの？

瀧：　ちげぇーよ（笑）。親が作れって言うからさあ。

卓球：　自分で？　ホチキスでとめて？

瀧：　そうそう、年金の“年”は、怨念の“念”と書いてさ。

卓球：　恨みをこめてな（笑）。笑うなあそれ。……ところでさ、四月といえばオレたちデビューしてまる二年だな。

瀧：　でもさあ、電気のデビューってほとんどの人がTMNと演ったシングルだと思われてんじゃん。納得いかなくねえ？

卓球：　あげくTMNファミリーの一員だと思われてな。違うっつーの。

まりん：　そのときは『フラッシュ・パパ』って録り終えてたんでしょ？

卓球：　そうだよ。それなのにさ（ブツブツ）。

瀧：　（笑）……ところで関係ねえけどさ、オレの父さんって“四月バカ”生まれなんだよ。

卓球：　四月バカな。笑うなあ。エイプリルフールをそのまんま訳しちゃって。……オマエ（まりん）明日、高野寛と対談だろ？

まりん：　なんだよ、いきなり（笑）。

卓球：　いいんだよ。ところでオマエが前に対談した人って誰だっけ。う〜んと、ほら、ドクター……。

まりん：　田中さんだろっ！　覚えろよ。会った人の名前くらい。

卓球：　そうかそうか。オレ、思わず小林とか言いそうになっちゃったわ。

瀧：　（笑）誰だよ、ドクター小林って。

卓球：　いいんだよ。……話それるけど瀧って四月誕生日だろ？　八日だっけ？

瀧：　そうだよ。

卓球：　となると、ちょうど始業式なんかの時期だな。……ティーンエイジタキかあ。笑うなあ。

まりん：　ティーンエイジタキね。笑うわ、想像しただけで（笑）。

卓球：　誕生日といえばさ、学校で自分の誕生日に黒板に名前書かれなかった？

まりん：　そんなことあったかなあ……。

卓球：　あったよ！　オマエなんか、また『おはよう！　スパンク』のイラストなんかと一緒に書かれたんじゃねえの？

まりん：　書かれないよ（笑）。

卓球：　また話が変わるけどさ、ニューズメーカーみたいな音楽雑誌あんじゃん？　 今までSMAPとかが好きで明星とか買ってたヤツが見ると、ちょっとしたカルチャーショックだよな。 ……ほら、高校とかに入ると趣味が広がるだろ？　こういう雑誌買てる友達がいるおかげで。

瀧：　「うわあ、大人だなあ」なんて思うんだろうな。

卓球：　見ろよコレ（表紙を指して）、英語だぜ？　大人だよ、立派な（笑）。

瀧：　その反面、大学に入ったり就職なんかすると読まなくなんだよな。

卓球：　大学なんか特にな。ほら、大学といえばコンパだ。したら音楽雑誌なんて買ってらんねえよ（笑）。 彼女もできんのにバンドでシッポ振ってらんねえだろ？

瀧：　確かにな。……でも、高校のときのクラスのワイワイぶりってあんじゃん？

卓球：　ワイワイハウス？（笑）

瀧：　ちげぇーよ。……でな、そんなワイワイぶりに比べればOLなんて地味なもんじゃん？　OLになって会社で音楽雑誌読むわけにもいかねえだろ？　 どうすんのかな。好きな人は。

卓球：　そりゃあ家だろ、家。

まりん：　でもほとんど中学生、高校生なんでしょ？　読者層って。……となると、ちゃんとその世代その世代で入れ替わってんだろうね、きっと。

卓球：　だからさっき瀧が言った「うわあ、大人じゃん」ってのと「もう大学生、社会人だし」ってドラマがあんだよ。絶対。

瀧：　何らかの形でケリつけちゃうんだろうな、その人の中でさ。

卓球：　でもそういうケリのつけ方ってできねえと思わねえ？　だからほら、そのケリをつけらんない人がこの世界？　音楽業界にいるんだよ、きっと。 ……音楽演ってるオレたちはもちろん、マネージャーの後藤さんしかり、音楽雑誌の編集をやってる道下さんしかり。 みんなそこから離れられないから仕事にまでしてさ。

まりん：　ああ、なるほどね。それはあるかもしんない。

卓球：　そう考えるとオモチャと一緒だな。だって、いまだに好きだろ、オモチャ？

瀧：　まあな。……確かにスーツ着たサラリーマンはオモチャ屋の前でオモチャを見て「うわあ、オモチャじゃん！」なんて言わねえもんな。

卓球：　で、オレたちは少なくとも興味がいくわけじゃん？　そこなんだよ違いは。

まりん・瀧：　うんうん。納得。