濡れシビ オンライン

第28回

今月の話は涙ナシでは読めませんっ! ピエール瀧が明かす、アマチュア 時代に起こった不幸な出来事。……スタアの過去にはこんな事実があった!?

瀧: 見たか? 先月のニューズメーカー。

卓球: 見た見た! この男、大フィーチャーでな。

瀧: モグネグで“キライなバンドは電気グルーヴです”って答えたらしいぞ。

卓球: しょうがねえよ。まさか“福山雅治です”って答えるわけにはいかねえし。

担当: 誰もそんなこと言ってないって。

瀧: でもさあ、この男はオレたちとちょっと仲がいいからって答えたと思うんだ けど、それを聞いて怒らねえと思ったら大間違いだ。……この馬鹿野郎っ!

卓球: ギャハハハハ! 笑うー。瀧は人から嫌われるのが一番イヤだからな。

瀧: そうなんだぞ! いつもビクビクしてんだから。

卓球: この前だって、道下さんが帰った後“言い過ぎちゃったかなあ? 嫌って ないかなあ?”って言ってたもんな。

瀧: そうそう。だからな、オレたちのことを二度と嫌うなよ! わかったか。

まりん: なんだかかっこわりぃな。

瀧: そうか? でもヤだもん。

卓球: まあいいよ(笑)。……ところで、今月は久々にハガキの質問・リクエスト に応えようってことで何枚か選んだんだけど、最初は大阪府の山本さんのハガキ から。「電気の皆さんこんにちわ。私がリクエストする話はペットについてです。 今まで飼ってたペット、飼いたいペットなどについて聞かせて下さい」と。

まりん: コレは君(卓球)が最もタイムリーな話なんじゃない?

卓球: だな。……あのね、オレ最近カメ買ったんスよ。ホシガメってヤツ。

担当: ホシガメって?

瀧: 干してあるカメのことだよ。

卓球: 違うって(笑)。エジプト産のカメで、9万もするんだぞ。

瀧: ったく、衝動買いしちゃってこの。……まりんは飼うんだったら何がいい?

まりん: イヌ。しかも雑種ね。

瀧: イヌか。オレも飼うんだったらイヌがいいな。

卓球: 昔さあ、夜店でウサギとかヒヨコを買って飼ったことない?

瀧: オレはないね。親に「死んじゃうからダメ」って言われてたから。

卓球: 瀧が? ああ、確かに瀧はウサギ抱いただけで死んじゃうからな。

瀧: ……もういいよ、ペットは。

卓球: そんじゃあ次、福岡県の吉田さんから。「私は今日、うどん屋さんで財布と 定期をなくしてしまいました(中略)電気の皆さんもこんな体験ありませんか」 と。コレをなんで選んだかっていうと、瀧も全く同じ体験をしたことがあってな。

瀧: あったな。バイトしてた頃の話でさ、当時ちょうど幡ヶ谷に住んでて……。

卓球: ちょうど幡ヶ谷にね。初台でも笹塚でもなく、ちょうど幡ヶ谷に。

瀧: はいはい。……でな、その日が給料日で十何万手に入ったからパチンコ屋に 行ったわけだ、やめときゃいいのに。ところが勝っちまってさあ、いい気分にな っちゃって“久々に美味いメシでも喰おう”って思っちゃったんだよね。

卓球: 自分にご褒美って感じで?

瀧: うん。……でもさあ、あん時ってオレ貧乏暮らししてたじゃん? 後々何が 起こるかわかんないから、高まる美味いもん喰いたい願望を抑えて立ち食いそば 屋で我慢することにしたんだよ。

卓球: でもちょっと贅沢な気持ちにもなってるから、せめて普段よりはいいもん を喰おうとして……だろ? で、何喰ったんだよ。

瀧: フンパツして山菜そば。

卓球: うんうん、立ち食いそば屋にしてみりゃ贅沢品だ。

瀧: 注文してお金を払って、さあいよいよ山菜そばが出来上がりました。喰いま した。美味い。喰い終わりました。「ごちそうさーん」満足して店を出ました。す ると、だ。

まりん・卓球・担当: うんうん。

瀧: ねえんだよ、財布が。

まりん・卓球・担当: うひょ〜っ!

瀧: ジュースを買おうとしたとき気付いたんだけど、ないのよ。給料とパチンコ で勝った金が入った財布が。

卓球: となると落とした場所は一つだ。

瀧: 走ったよ〜、そば屋に。「おじさん、サイフなかった?」「いやあ、オレはずっ とこっち側(カウンター)だったから」「あれえ、おかしいなあ」……そんときだ よ。思い出しちゃったんだよなあ、サラリーマン二人組のことを。

まりん: サラリーマン二人組って?

瀧: オレの他に客は、その二人しかいなかったんだけど、そいつらはカウンター で喰ってたの。で、オレはといえば、おじさんにそばを渡してもらって……ほら、 どんぶりって熱いじゃん? 熱いから財布をカウンターに置いて、慎重にどんぶ りを持ってターンして後ろのテーブルですぐ喰っちゃったの。ここがいけない。

卓球: なるほど。瀧はゴリラ頭だから、そばを手にしちゃったら他のこと考えら れねえもんな(笑)。

瀧: 上機嫌でズルズル〜っと喰ってたら途中でサラリーマンが出てってさ。店の おじさんではないから、きっとあの二人が持ってたんだろうね。ゴリラが違うも んに興味を示しているうちに。

卓球: 笑うー。瀧らしいわ。それってさ、「豆腐二丁買ってこい」って言われて、忘 れちゃいけないから「豆腐二丁豆腐二丁豆腐二丁豆腐二丁……」って言いながら 歩いて、突然前から車が来て“キキーッ”「あぶねえな!」って言われてから「豆腐 二丁」が「あぶねえなあぶねえなあぶねえなあぶねえな……」に変わって、店に 着いて「あぶねえな下さ〜い」って言ったって話によく似てんな。

瀧: でもさ、オレは人間が出来てるから“罪を憎んで人を憎まず”だよ。一生懸命 「オレは十何万する山菜そばを喰っただけなんだ」って言い聞かせたよ。うん。

まりん・卓球・担当: そんなにする山菜そば喰いたくなぁ〜い!(笑)


てな感じで、この後も延々とお話は続いたのですが今月はこれまで。続きが聞き たい人は「濡れシビ・テープ係」まで、メンバーに話して欲しい話、人生相談、 性の悩み相談、なんでもOKなのでガンガン送ってきて下さい。なお今月の当選 者は、レタクラ『インフォメ』のコーナーで発表します。また来月!



※R&R News Maker 1993年12月号 (No.63), Victor Entertainment. p80 より転載

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