まりん：　ええっとね、33回かな。

卓球：　33回か。二番目に長いのは、確かスーパー写真塾だったと思うけど。

担当：　それは三人でやってるんですか？

卓球：　そう。ホントはオレと瀧だけの連載なんだけど、コイツは呼ばれてもないのに来てる。ギャラが出るからって。

まりん：　いいじゃん、欲しいんだもん。

卓球：　聞いたかよ？　ズーズーしいよな。スーパー写真塾なんてオレと瀧だけで十分なのにさ。

瀧：　電気グルーヴもな。

まりん：　あれえ、そんなこと言うの!?

卓球：　だってオレ、瀧と二人でアルバム作ったことあるもん。……なあ？

瀧：　確か『UFO』がそうだったな。

卓球：　ほらあ、実績があるんだよ。

まりん：　ひっでえなあもう！

卓球：　しかもさ、ファンに「電気の最高傑作は？」って訊くと『フラッシュパパ』や『662』って答える人が多いわけじゃん。 ……オマエその頃いたか？

まりん：　いないけど。……いないけどひどいよ、そんな言い方！（結構マジ）

卓球：　だいたいまりんはよ、スタジオ来てもファミコンしかしねえし。

まりん：　おいーーーーっ！　オレかあ？

瀧：　あげく来ねえ時もあるしな。

まりん：　あれれ、ちょっと待てよ！　最初の三日間なんてオレしか仕事してなかったじゃんよお。知ってんだろ？

卓球：　しかも暇そうにしてるから「たまには歌詞書いてみろ」って言ってみたら 上がってきた内容が“高いぞ高いぞ富士山”だぜ？　……ナメてんのか、おい！

まりん：　ギャハハハハハハ！

卓球：　あげく「印税ちょうだい」だって。

まりん：　ご飯は二人前喰うし。

卓球：　で、インタビューでは「僕はスタジオが一番好きな場所です」だよ？　そりゃ好きだよな、仕事ねえから。

瀧：　…………。（カレーをムシャムシャ）

卓球：　でも考えてみると一番ひどいのはコイツだよコイツ！（と、担当を指差す）

担当：　あれれ、こんどは僕なの？

卓球：　そうだよ。だいたいこんなに長いことやってんのにオレ達にギャラの一つもよこさねえ。 そのくせこんな楽しいトークを独り占めにしてテメエで勝手に楽しみながらテープを起こしてあげく写真はポラロイド。

瀧：　しかも読者には「ポラあげまぁ〜す」なんて優位な立場にいやがってズーズーしいったらありゃあしねえ。

担当：　……ラップみたいっスね。

瀧：　ただ働きだな。この連載は。

卓球：　だろ？　例えば一回につきギャラが一万円としよう。一万円として今月で33回。三人合わせて……九十九万円だぜ。

瀧：　巻き上げちゃってな。

卓球：　踏み倒しだよ踏み倒し。……これからコイツのことをこう呼ぼう。“道下九十九万円”と。

瀧：　来月は“道下百二万円”だ！

担当：　……そろそろ今月のお題に。

瀧：　うむ、そうだな。……何だ？　今月のテーマは。

卓球：　えっとね、先月と共通してる内容ではあるんだけど“最近の女”について。 コレに関して、オレはいろいろ言わせてもらいたいことがあんだけど……。 ほら、最近の女って勘違いしてるヤツが多いだろう？　特にパッチン止めしてるヤツ。

担当：　出た！　パッチン止め（笑）。

卓球：　そう、そのパッチン止めをしてるヤツを始めとした、まあ最近の言葉で言えば“ブスカワイイ”と呼ばれてる女共が調子に乗ってんだろう？　 オレはアレが許せないんだよ。

瀧：　個性とブスな勘違いしてるよな。

卓球：　もみあげをとんがらかしちゃってるヤツとかさ。ナイフみたいに。あと、デップをベタベタにぬってピチィーっとした髪型にしてるヤツ。 あれも許せねえ。

瀧：　おうおう、いるな。雑誌のモデルにも多いだろう。その類は。

卓球：　別にそのモデル責めるつもりはねえんだよ。ただ、それを見てさ“わあ、私もモデルになれるかも”なんて錯覚しちゃってる女が多いだろ？　 しかも自分で“私って個性的ですー”だって。許せなくねえ？

瀧：　まあ百歩譲ってショートカットは良しとしても、もうショートカットとは呼べないような短髪の女っているだろう。

まりん：　いるいる！　スポーツ刈りみたいな髪型してるヤツでしょ。

卓球：　でも、そういう今言ったような女が好きなヤツもいんのかな？

瀧：　いないよ！　いるわけないじゃん！

卓球：　（笑）でもさ、確かに瀧がよく行くキャバクラにはいないよな。パッチン止めしたヤツは。 ……だいたいああいう所には男が求める女？　最大公約数のタイプが多いわけじゃん。イケイケ風な。

瀧：　そりゃそうだ。だって、こちとらお金を払ってでも逢いたい女がいるから行くわけで、そんな所にゃいませんよ。 わけわかんないジャージ着てりゃ個性だと思ってるヤツとか、なんだが裾がビロビローっとなってるような服を着てるヤツとか、靴のヒールが花瓶をちょんぎったようなのを履いてヤツなんて。

卓球：　バネッサもどきだろ？　カルチャー気取っちゃってな。そういうヤツに限って昔、チェッカーズの『TANTANたぬき』とかシブがき隊の『バローギャングBJ』とか観に行って喜んでんだよ。

瀧・卓球・まりん：　ギャハハハハハ！

担当：　……あのー、一言いいですか？　今まで話してたような感じの女の子って、電気のファンに多いですよねえ。

瀧・卓球・まりん：　……………………。

卓球：　それを言ってしまったらおしまいじゃないかキミィ〜（泣）。