濡れシビ オンライン

第44回

今、密かに“野村さん”ブームが! たくさんの『濡れシビ』ファンのご要望にお応えして、今月はまるまる1ページ“野村さんスペシャル”をお届けしますよ。
卓球: スタッフが酔っぱらって気を使わなくなったらどんなに大変か、オレは大晦日のイベントでつくづく思い知ったね。 ……なぜかというと、野村っ!(→本名、野村昌史。電気グルーヴのライヴで“コンサートプラン&ディレクター”を担当。 93年から94年にかけて行われた『野村ツアー』のタイトルは彼の名字から取ったもの)  アイツがさあ、イベントの最中から酒ガンガン飲んじゃって、12時のカウントダウンの頃にはもうすっかりベロベロになっちゃって、上機嫌って感じなのよ。 まあでもそれくらいならオレも「大晦日だしお祭だからいいか」ってことでほっといたんだけど。ところがさあ…

瀧・まりん・担当: ところが?

卓球: 3時か4頃、ステージでKen=go→が演ってんのを上(楽屋)から見てると、なんか音がへンなんだよ。音が出たり消えたりすんの。 で、おっかしいなあと思って下のPA席を見たらなんと! 野村が『戦メリ』を弾く坂本龍一よろしく恍惚の表情で卓を(レベルを上げたり下げたり)いじってんだよ(笑)。 オレもうびっくりしちゃってさ、急いで降りてPA席に行って野村ひっつかまえて「おいっ、なにやってんだよ!」って怒鳴りまくって。 ……そしたらあの酔っぱらいなんて言ったと思う? 弱っちい声で「なんだよぉ、そんなこと言ったってオレはみんなの為を思ってやってるんだしぃ」って言いながら メソメソメソーって泣いちゃってさあ(笑)。

瀧・まりん・担当: ギャハハハハハ!

卓球: 笑うだろ? 泣かれても困るんだけどさ(笑)。それを見てた連中が「なになに、どうしたの?」って感じで集まってきちゃったし、イベント中だったから、 とりあえず楽屋に連れてって「オマエはもうそれ以上飲むな!」って説教したりして……そこに瀧もいたんだよな?

瀧: そうそう。で「酔っぱらうのはいいけど、やることはちゃんとやれよなっ!」とかいう、ものすごくまともなこと言っちゃったりして(笑)。

卓球: バーボン片手にな。でも瀧も瀧だけど。「オレは酔っぱらってねえよお〜」なんて言いながらクツ食おうとしてるし。

瀧: そうだっけ? ……覚えてねえや。

卓球: そういえば4日くらい前、アイツんちに行ったらまたベロベロに酔っぱらってたなあ。 ちなみにそんときは泣きはしなかったんだけど、アノヤロあまえてきやがって(笑)。 まあオレも大人だからあまえてきても「いい加減にしろよ」って感じで怒りはしなかったんだけど。 そのわりには本気で蹴ったりしてんだけどね。あと本気で乳首つねったり(笑)。 で、オレはてっきりそれで怒るもんだと思ってたのに、アイツ喜んじゃって「おーい、まてよー」って感じで帰ろうとして廊下に出てるオレを走って追いかけて来んの。 夜中なのに大声だしてさ。なにがしたかったかというと、オレの乳首をつねり返したかったみたいで、つねったあとにまた「ウヒャヒャ〜」とか言いながら部屋に戻ってドアの横からそ〜っと のぞいたりして全くもう子供状態なのよ。で、きりがないからオレもアイツの家に戻って奥の部屋のひきっぱなしのフトンの上を土足で一通り行進して帰ってきたんだけど(笑)。

まりん: そういえば野村さんってこないだ新車買ったんだよね。

瀧: 買った買った。オレ無理矢理乗ってブツけたろうかと思ったけど、さすがに新車だからやめてやったんだけど。

卓球: でもオレはアイツが前の車乗ってるとき、横に乗せてもらって走ってる途中に勝手にギアをガチャガチャやったら壊れちゃったぞ、車。

まりん: しかも君、その助手席でしょんべんしなかったっけ?

卓球: あー、したした!

まりん: ひっでえよなあ(笑)。

卓球: まあどっちかっていうとオレたちの方がひどいことしてんだけどね、アイツに……。あ、そうそう! 野村ってさあ、昔モデルだったの知ってる?  今でこそ90kgくらい体重あるんだけど、当時は50kgちょっとしかなかったらしくてさ。で、いまだにその頃の雑誌の切り抜き持ち歩いてるの。

まりん: あー、それ見たことあるよオレ。なんかデザイナーズ・ブランドっぽい服着て写ってるやつだろ?

瀧: しかもそれ神社の前かなんかで撮ったヘンな写真なんだよな。

卓球: それが丁度『RHYTHM RED BEAT BLACK』の頃でな。うさんくさかったよなー、確か。

瀧: で、オレたちとつるむようになって太ってみるみるうちに醜くなるんだけど。

卓球: でも会社の社長なんだよな? 名刺にはいつの間にか“マルチメディア・プロデューサー”とかいう、わけのわかんない肩書付けてるし(笑)。

瀧: こうやってオレたちとのエピソードを聞いてるぶんには情けないけど、アイツも行くとこ行ったら威張ってんだろうなあ。すげー威張ってそう。

卓球: んー、まあ立場上それも大事だけどな。……でもおかしいのがオレたち三人といるときの野村と、まりんと二人きりの野村って違うんだよな?

まりん: そうなんだよね。電気グルーヴ対野村さんのときは今話したような感じなんだけど、その場にオレしかいなかったらなんだかすごく威張るの。 「バカヤロ、オレは社長だぞ!」って感じで。まあ多分、コイツには負けらんないって思ってんだろうね、きっと。

瀧: 思うに野村はいまだにヤンキーの上下関係が抜けてないんだろ。強いヤツには平伏しておこうってさ。

卓球: 野村はあれだよ、瀧になんで弱いかっていうと“雨の親不孝通り”って事件があるからで。 ……どしゃぶりの雨の中で、瀧が本気で野村にまわし蹴りをキメたっていうあの伝説の事件が。

瀧: 思いっきり蹴ったなあ、確か。

卓球: その景色がさあ、横から見ててなんか「青春!」って感じだったんだよ。 ……あ、あと飲み屋で隠しながらスプーンをライターで火にあぶって真っ赤になったそのスプーンをいきなり野村の手にポンって置いたこともあったな (良い子の皆さんは絶対に真似をしないように)。そしたら野村「あっちぃー!」ってでっかい声だして飛び跳ねちゃって(笑)。

瀧: でもオレはそれと同じことを椎名にやられたことがあってさ。で、そんときのオレの言葉が「あっちぃー!」って怒るより先に 「おい、今“ジュッ”って言ったよな? 言っただろ?」ってその場にいるヤツらに確認しちゃって(笑)。 手が“ジュッ”って言ったことに感激して怒るのすっかり忘れてんの。

卓球: なんで瀧が感動したかっていうと、高校時代、瀧はよく川井って後輩にタバコの火を手につけたりしてな(良い子の皆さんは絶対に真似をしないように!)。 そしたらその川井が「あっちぃー! 瀧さん、今、手が“ジュッ”って言いましたよ!」って叫ぶもんだから瀧が「バカヤロー、手が“ジュッ”って言うわけねえだろ」って怒っちゃって(笑)。

瀧: 結局、数年後に身をもって、手は“ジュッ”って言うという事実を知らされてちゃってな(笑)。


多少尻切れ状態ではありますが、今月はここまで。 いつものようにこの楽しいおしゃべりが入ったテープを欲しい人はハガキに感想、要望、その他いろいろたくさん書いてRRN編集部『濡れシビ・テープ係』まで送って下さい。 3名様に当てております。そんじゃあ、また来月!



※R&R News Maker 1995年4月号 (No.79), Victor Entertainment. p55 より転載

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