やっぱり人間、節目が大事DA・YO・NE。つーわけで、今回は原点に戻り、“濡れシビ”の聖地 フラミンゴスタジオからおとどけ。んー、でもあんまりいつもと変わんなかったなー。ちょっと反省。

卓球：　あのー、今回はですね、コレ読んでる人には全然わかんないと思うんですけど、 フラミンゴ・スタジオっつー、ラジオの番組とか録るスタジオがあるんだけど、ここでやってるですよ。 で、なんでかっていうと、実は最初の頃、濡れシビはこのフラミンゴ・スタジオで録ってて。 ま、50回っちゅースペシャルってことでまたここに戻ってきたと。……だがしかし。 このタイミングの悪さ？　知ってます？　今日のオレたちのスケジュール。まず最初にニッポン放送。 レギュラーの番組の録りやって、次がTFMでつのだ☆ひろさんの番組出て、その後がNACK5。で、やっとこれだよ。

瀧：　もー、ずっと喋りっぱなし。

卓球：　なあ？　喋ることないよ、今日は。

瀧：　喋らなくてもいいんじゃないかなあ。

まりん：　なんか書いといてよ、適当に。

卓球：　ところで今回ってページ多いの？　2ページ？　ああそう。……ま、でも50回ですよ。50回。4年と2ヶ月。 これ始まったとき、オレまだ23だもん。

まりん：　オレ21。

瀧：　気持ちワルー。……しかし50回。今までこんなに続けたことってあります？

卓球：　ねーな。あるとしたら小学校。

まりん：　あと電気グルーヴ。

瀧：　うわ、凄え（笑）。オレたちの人生の中で続いたことの3番目。

まりん：　そうだよ。小学校、電気グルーヴ、濡れてシビれて（笑）。堂々の3位。

瀧：　情けねえな。……だけど、4年と2ヶ月？　その間に女何人抱いたかなー。

卓球：　女な。……女といえは最近、ウチら全然モテてないっスよ。ファンレター、月10通（笑）。 そのうち7通まりんで瀧2通。で、オレが1通と。

瀧：　オレなんかそのうちの1通はRoland（楽器メーカー）からだもん。

まりん：　ははははは。新製品のDMな。

卓球：　ったくもー、ホントにモテないんだから。……しかしあれだな、全然盛り上がんないね、今日は（笑）。 今、気付いたけど、もうスタジオでやるもんじゃないね、これは。 昔みたいにハイテンションで喋れるかっていうと、もうそうでもないじゃん？　 この前、まりんとも話したんだけどオールナイトニッポンもすでにオレたちの中では恥ずかしい話になってんだけどさ。 ……だってなあ、今、「電気グルーヴのオールナイトニッポンっ！」って勢いよく言えるか？　ちょっと恥ずかしいだろう。

まりん：　さむー！って感じだよなあ。

瀧：　そうか？　オレまだ言えるけどな。

まりん：　ははははは、君はね（笑）。ま、そこが面白いとこなんだけど。

卓球：　あ、ところで瀧。オマエ、ドラマの収録もう終わったんだろ？　どうだったよ、結局。ドラマの方は。

瀧：　もうやってらんないっスよ！

まりん：　ええーっ！　さっき面白かったって喋ってたじゃん（笑）。

瀧：　あんなもんサービストークだよ、サービストーク。

卓球：　なに言ってんだよ。ドラマ出て宝生舞か誰かとウワサのひとつにでもなりゃ、それはそれでオレもコイツの家に遊びに行くってもんだよ。

瀧：　バーカ。タレントとなんかそう簡単に知り合いになれるもんじゃないんだよ。

卓球：　だからそこをなんとか、だよ。 そうすりゃオレは瀧んち行って、宝生舞が使った後のトイレに入って胸いっぱい空気を吸い込むってもんなのに。 ……しかし話することねえなー（笑）。道下さん、こっち来なよ。今日、喋り倒しのオレたちには新しい血が必要。

瀧：　ったくな。今日は（ブースの前で）偉そうにしていたんだよ、アイツは。

卓球：　それでもさー。……なに、写真撮ってから？　OK、じゃあ後で。

瀧：　だいたいこういう日こそ第1回目のニューズメーカーとか今までのページのコピーとか持ってこねえか、普通。 それだけでも話が広がるってもんなのに、全然用意してねえんだもん。

まりん：　お手軽だよな。持ってきてるのはカメラだけ（笑）。常に下げて「オハヨーございまーす」だって。

卓球：　アラーキー気取りでな。 ……でもさ、その第1回目の頃のニューズメーカーなんか見た日にゃあ、今いないバンドばっかで結構面白いかもな。 オレたちなんかバンド・ブームの頃？　バンドとか音楽雑誌とかいっぱい出て盛り上がってた頃からすりゃすでに古い方じゃん。 だからそんなオレたちも、最近の音楽雑誌に出てる新しいバンドなんかに「え、電気グルーヴなんか載ってんじゃん」 なんて言われちゃってんだろうな。

瀧：　最近はどんなの流行ってんの？

卓球：　そりゃあもう役者ロックでしょ。

まりん：　役者ロック？　……なにそれ。

卓球：　決まってんじゃん。役者もやるしロックもやる人のことだよ。

まりん：　例えば？

卓球：　そりゃあ、ほら、福山くんとか。

瀧：　なにが福山くんだよ、「くん」って。そんなに知らないくせに。

卓球：　バーカ！　オレなんか昔、福山くんと一緒にシングル出してんだぜ？　知ってるかオマエ。

まりん：　えーっ!?　そんなことあったっけ。…………あ───っ！　思い出した。あったね、そういえば。あったあった。

卓球：　だろ？　出してんだよ、一緒に。ニッポン放送のエイズ・キャンペーンのシングルだよ。

＜ここで担当さん、メンバーと合流＞

卓球：　おおー、来た来た。どうなのよ、アンタ最近。

担当：　え、僕ですか。休みを貰って沖縄に行ってリフレッシュしてきました。

卓球：　そうそう！　オレたちにはそういう話題が欲しいのよ。

まりん：　そういう話をいじって膨らますのがオレたちの仕事だから。

卓球：　で、誰と行ってきたの？

担当：　いいじゃないっスか。

卓球：　はは〜ん、彼女だな。くーっ、羨ましいねえもう。……で、この前のロンドンはどうだったの？

担当：　もう何事もなく順調に。……あっ、石野さんゴメンなさい。せっかく教えてもらったクラブ、行けませんでした。

卓球：　あっそう。行けなかったの。なんだ、せっかくロンドンでいちばんひどいハードなゲイのクラブ教えたのに。 ……ところで誰の取材で行ったんだっけ？

担当：　先月の表紙巻頭だったイエロー・モンキーの取材。

卓球：　イエロー・モンキーね。なんだっけ？　『アバンギャルドでいこうよ』だ。あれ歌ってる人たちでしょ。

担当：　そうそう。詳しいですね。

瀧：　名古屋でライヴ見たことあるもん。その曲が1曲目だったよ。

卓球：　オレ、昔よくテレビのコマーシャルでその曲聞いたんだけどさ、その曲ってなに？　 電気グルーヴでいえば『電気ビリビリ』みたいな……曲なの？　って言いながら、今、オレ凄く恥ずかしかったんですけど（笑）。

担当：　ギャハハハハ！（爆笑）　『電気ビリビリ』。でも、多分そんな感じですよ。代表曲のひとつですから。

卓球：　あー、恥ずかし。言わなきゃよかった（笑）。……ところでさ、さっきも話してたんだけど、最近どんなバンドが流行ってんの？

担当：　バンドですか？　んー、バンドじゃないけど、新人さんの中ではMY LlTTLE LOVERとか最近、読者に人気がありますねー。

卓球・瀧・まりん：　知んねーぞ。

担当：　うわ、やばいっスよ。今、リトラバ知んないと。テレビでもガンガン流れてるじゃないですか。男女ふたり組のユニットですよ。

瀧：　いやー、男女ふたり組のユニットと言われてもなー。オレが知ってんのはアシュラ男爵？　あとウルトラマンエースか。 ……それくらいだし。

担当：　それくらいだしって、それは男女ユニットとはちょっと違うのでは（笑）。

瀧：　で、話もとに戻すけど（笑）、他にはどんな人たちが人気あんの？

担当：　んー、あとはこの連載の初期によく話題のネタにもなってたシャ乱Qとか。

卓球：　シャ乱Qね。……あー、でもいいなあ、人気あって。ウチらなんかますます人気下降線ですよ、ホント。

担当：　それがちょっとイマイチわかんないんですよね。人気落ちてます？　落ちてないでしょう。 なんかそういうことを肌で感じたことがあったとか？

卓球：　あるある。だってもう道を歩いてても“キャーッ！”って言われなくなったもん。寂しいよなあ（しみじみ）。

担当：　じゃあ“オレたちって人気あんじゃん！”っていちばん感じたときっていつ頃のことなんですか？

卓球：　そうだね『うんこわしづかみ／うんこもりだくさん』の頃かな。

担当：　クアトロだ。じゃあ『KARATEKA』の頃ですね。

卓球：　そうそう。で、そのときのツアーの名古屋でね、オレがホテルに入ろうとしたらファンの子が“キャーッ！”って抱きついてきたんだよね。 それが唯一モテた瞬間かな。

瀧：　なんなんだオマエは。そうやって今、全国の“キャーッ！”っていう予備軍にアピールしてんのか。

卓球：　違うよー、そうじゃない。なんかさ、もっとこうドラマチックな出会い？　そういうのがあってもいいと思うんだけど。 そんなこと思わない？

瀧：　オマエ、アタマおかしいよ（笑）、マジで。思わねえよ、そんなこと。

担当：　でも瀧さんは、そろそろドラマ効果とか出てくる頃なんじゃないですか？

瀧：　だね。でもキャバクラのネエちゃんとかにしてみれば、あの時間帯がネックなんですよ。お店出てる時間にオンエアだから。 ……それをいうならポンキッキ。あれはまだ効果バツグンだもん。

卓球：　あっそう。いいなあ（しみじみ）。

瀧：　オマエはみすぼらしいしな。そうやって朽ち果てて死んでいけば？

卓球：　こうしようかな。オレ、これから自分のやった仕事、全部Tシャツにプリントして歩くっての！　 『RHYTHM RED, BEAT BLACK』なんかイレズミにしちゃって。しかも“オリコン初登場2位！”ってオデコに（笑）。

瀧：　オレは昔、小室哲哉と仕事をしたことがあるんだぞ、って感じでな。

卓球：　つんくとも友達！って感じで。

まりん：　情けねえなあ、おい。

瀧：　そういえば最近、オレたちのイラストなんか全然雑誌に載ってねえな。

卓球：　あと、広告とかに載ってるバンドもんのダイヤルQ2。あれなんか電気のコーナー、閑古鳥鳴いてんだろ。多分。

瀧：　でも、オレたち今、情報少ないから地方の子は結構重宝してんじゃないの？

卓球：　してねえしてねえ！　……あ〜あ、また『N.O.』売れないかなー！　ちくしょー。

担当・瀧・まりん：　ギャハハハハ！

まりん：　もう一回出したろーか！（笑）

卓球：　情けねえなあもう。

担当：　だんだんディープになってきたんで（笑）、話題変えましょうか。で、50回を振り返ってみてどうです？

瀧：　どうですってあんた、単行本はいつ出すんだよ！

担当：　ドキッ！

卓球：　道下さん、もしかして解散後を狙ってない？　オレたちの。

担当：　狙ってない狙ってない。

卓球：　ホントかな〜？　でも、もし出たらオレたちに印税9割ね。

担当：　え〜っ、9割？　それはちょっと多すぎませんか？

卓球：　あたりまえじゃんなあ！　こんなの作るのに元手かかってないのに。書いてんの道下さんで、写真はポラ。 せいぜい費用としてかかってんのはそのポラのフィルム代とテープ代くらいでしょ？

瀧：　あとは起こし代か。寝てる子を。

まりん：　ははははは、違うだろ（笑）。なんか芸人ぽいなあ。ジジイかオマエは。

卓球：　でもコイツのことだから濡れシビの単行本出したあかつきにゃあ「電気グルーヴの濡れてシビれて　道下善之著」って 自分の名前付けそうじゃねえ？

瀧・まりん：　あー、付けそう付けそう！

担当：　ははははは、付けませんよ。でも付けたら僕にも印税入りますね。 だったら印税アップの為にイトーアキに頼んでソニー・マガジンズで出そうかな（笑）。