| 第58回 |
|
“ツアーめがね”スペシャル！ 電気グルーヴ活動歴最高のロング・ツアー（つっても23本だけどね）も、いよいよクライマックス。 今月は、4月4日・大阪厚生年金会館の楽屋に潜入して、気合の入ったトークをお届けっ！ なんの予告もなく突然の“濡れてシビれて『ツアーめがね』スペシャル”ではありますが、今回は4月4日・大阪厚生年金会館の楽屋におじゃましての番外編をお届けします。 それではまず、欄外にもある大阪の電気ファンを代表して、今回のツアー各地の会場で目立つ男の子のファン3人組のコメントを紹介。 「ライヴは2度目です。恒例っていうか、ライヴがあったら行くって感じかな。今回のアルバムは凄く良かったし、楽しみにしてましたけどね」 とは渡辺クン、20歳。普段はエルマロやコーネリアスなどを愛聴する大学生。 「やっぱり『オレンジ』は男のアルバムやろ。女は喜ばへんと思う（笑）。他のアルバムだと『ビタミン』が好きだけど、今回のアルバムも好き」 なるほど。古谷クンの言うとおり、確かに『オレンジ』は男人気高し。普段、大黒摩季と吉川晃司とmc.A.Tしか聴かないウチの兄貴も「最高だな『オレンジ』！」と言っていたのを思い出す。 「ところで『オレンジ』って売れてるんですか？僕はメチャクチャ売れてる人は好きじゃないんですよね」 ちょっと待て！電気は売れてないってか？ そんなことはないよ、古谷クン。 「いや、大丈夫。そのうち必ず落ちてくるはずや（笑）。大阪の若いモンはみんな、着実にウルフルズに流れてるから」 あれっ、そうなの!? やばいじゃん電気。やっぱりウルフルズって大阪で人気あるんだ。 「そりゃ、ありますよ」 なるほどねー。なんたって地元だもんな。……あのー、ところでロックンロール・ニューズメーカーって知ってます？ 「ニューズ……メーカー？ ああ、あの表紙がツルツルしてるヤツね。読んだこと？ ない（笑）。本屋で手に取ろうと思ったらツルッとすべって取れんかった」 ははははは、さすが大阪。笑わしてくれる。表紙がツルツルの雑誌ですか。確かにそうなんだけどね（苦笑）。ちなみに石野卓球がチキンラーメンを食べるとき、必ずニューズメーカーをフタ代わりに使用しているというのは有名なエピソードである（ホントか？）。 理由は「ラーメンが入ったドンブリの上に置いてもフニャフニャ にならないから」だと！ まあいいか。手に取ってからの使い道はその人の自由だ。……あ、ところで左のキミ。 キミはよくミスチルの田原氏に似てると言われないか？ 凄く似てると思うぞ。 「言われます（笑）」 名前はなんていうの？ 山中クン、22歳ね。キミはやっぱりミスチル好きなの？ 「はい（笑）。……というより、あまり電気グルーヴは聴かないんですよ」 ああ、友達の付添いライヴね。うんうんよくあるよくある（笑）。まあ、ミスチルもいいけど、電気のライヴも楽しんでって下さいね。 ── と、その後、私はギャル2人組、2組をとっつかまえてしばし談笑。開場時間が近づいてきたので楽屋へと向かう。 |
|
担当： というわけでこんにちわ。 卓球： こんなとこまで追っ掛けてきやがって。しかも金目当てで（笑）。 瀧： あれっ？ 今日はなんでそんないいカメラで写真撮ってんの？ 担当： 今回は2ページで“ツアーめがねスペシャル”を、と。 卓球： ははーん。で、ホントは誰の記事が落ちたの？ 担当： 落ちてないって（笑）。わざわざ大阪まで来てんのに！ 卓球： どうだかな。だってコイツ、オレたちの楽屋でビール飲む男だぜ？ まりん： 府中でな。しかも開演30分前の楽屋に来て「ビールは？」だと（笑）。 担当： ウソばっかり。あれは無理矢理飲ませたんじゃん（←ホント）。ところで今日の大阪でライヴは何本目？ 瀧： 11本……目かな？ 卓球： うわあ、まだ半分（笑）。 担当： いつものツアーだと今日あたりの本数で終わりって感じじゃないですか？ どうです、前半戦終了してみて。 まりん： 疲れた。 担当： はあ。……じゃあ、後半戦に向けての意気込みは？ まりん： 頑張るよ。 担当： 大丈夫かなぁ（笑）。では簡単に今回のツアーのテーマを教えて下さい。 卓球： 今回はねえ……あれっ、これって濡れシビだよね？ 担当： そう。でも、とりあえず真面目に答えるように！（笑） 卓球： 去年の夏。野音ライヴあったじゃん？ あれをさらにこう…… まりん： 作り込んだやつにしようと。 卓球： そうそう。久々のツアーだしね。 担当： ステージの仕掛けが多いですよね、今回は。（ちなみに今回のステージでは瀧のかぶりものはもちろんのこと、『誰だ！』プレイ中のスクリーンで数十種類の仮装をする瀧、 『スコーピオン』をうたう卓球の横で延々とピザを生地から作る瀧、クマのぬいぐるみをクギ刺しバットで殴る瀧、兵隊数名に囲まれ銃で撃たれる瀧、 客席にいる女の子ファンを抱えて走り回る瀧……あれっ？ 瀧ばっかじゃん（笑）。とまあ、とにかく仕掛けがテンコ盛りなのだ） 卓球： んー、多過ぎって話もあるけど。 担当： 曲順なんかのメニューは前半戦と変わってない？ 卓球： 基本的な部分はね。……でもオレ、その前半のライヴの記憶がほとんどないんだよなあ。なんでだろ？ 担当： じゃあ印象的な出来事も…… 卓球： ないねえ。なんかある？ まりん： 初日のライヴ前がやたらと静かだったってのが印象的だった。今回のライヴってモニタ−が左右ふたつに割れてウチら登場すんじゃん？ なんかシ〜ンとしてんだよね。 客いないのかと思ったもん。普通、ザワザワしてるじゃん。 卓球： うんうん。あとほら、広島。瀧がヘンな酔いをしたところ。 瀧： で、次は九州シリーズか。博多、熊本はのんびりしてたよな。 卓球： うん。全体的に「コレ」っていう事件はホントないね。 担当： あれー、おかしいなあ。 卓球： なんで？ 担当： だって前々回の濡れシビで“今回のツアーは遊ぶ”宣言してたじゃない？ まりん： いや、遊んでることは遊んでるんだよ。高松とか……なあ？ キミ（卓球）はいなかったけど。 瀧： スタッフとのツアーなか打ち上げな。バーベキューやって、健康ランドみたいなとこ行ってプールに入って、カラオケして、麻雀やって、ジャンケンキスゲームやって（笑）。 朝の5時まで？ もうマラソン状態でノンストップ。 卓球： ふうん。でも、オマエそんなことしてたらノド潰すわ（瀧はツアー中ノドを潰して病院行き。大阪ライヴの前日はホテルで1日療養していた）。 そういえばまりん、昨日、野村（コンサート・ディレクター）と飲みに行ったんだろ？ まりん： うん。なんかね、店の女の人がみんな下着でビックリした。 卓球： オマエなあ、そこがどういう店でなんでビックリしたのか説明しないと原稿になんねえだろ！ 瀧： いきなり感想からくるもんなあ。 まりん： みんな下着なんだもん。お店の人が下着なんだもん。でね、ショーとかやんのね。ビックリしたんだよね。 担当： なんでビックリしたの？ まりん： 下着だから（笑）。 瀧・卓球・担当： ……………………。 卓球： でもさあ、オレ、結構ツアー中に家に帰りたくなる方なんだけど、徐々に狂ってきてるね。 瀧： なにが？ 卓球： バランスが。生活なんかの。 瀧： そりゃあしょうがないだろ。ツアーなんだからさ（苦笑）。 卓球： んー、そうかなあ。でもさ、東京に戻るとわかるぞ。ズレてんのが。 瀧： で、オマエはどうしたいんだよ？ 卓球： だから仕事で来てる、って感じにしたいんだよね。 担当： 仕事……じゃないの？（笑） 卓球： いや、ライヴは仕事なんだけどさ。なんつーの。まだまだ邪念があるんだよ。遊びたいっていう邪念が。それがオレのリズムを狂わせるんだよね。 ……わかるだろ？ わかんねえ？（←結構マジ） 瀧： いや、わかるんだけどさ。それはオマエがどうにかしろよ（大苦笑）。自分でガマンすればいいことじゃねえか。 卓球： いや、そーじゃなくて！ だからだからだから、ほらっ。DJとか入ってればいいの。夜に。 そういうのもなくてさ、夜「自由にどうぞ」って言われてもオレ、ヒマの潰し方知んないしさあ。 瀧： あー、石野の場合そうだよな。なにもしない1日って過ごせないヤツだから。よく言う、ウィンドウ・ショッピングは出来ない性格だから。 卓球： 瀧はウィンドウ・ショッピング好きだもんな。「あっ、このドレスかわいいよねー」とかよく言ってるし。 瀧： そうそう（笑）。オレは好きだからね、予定なく1日過ごすのって。 卓球： あー、でも淋しいなあ。前に話した理想のライヴとは全然違う（笑）。 瀧： 女っ気ゼロだもんな。 担当： ちなみに理想のライヴとは、ステージ前後は女の子に囲まれるというハーレム状態でしたが。 卓球： ねえ。ところが高知では…… 瀧： なんとホテルの前にファンが2人！ しかも男（笑）。 卓球： カメラ持ってきて「一緒に写真撮って下さい」だって。 担当： ああ、なんか微笑ましい光景じゃないですか。で、撮ったんですか？ 卓球： 撮ったよっ。な〜んのメリットもないけどね！ 担当： あ、ところでスタッフの話によると、砂原さん今回のツアー、うたってるらしいじゃないですか（ちなみにこの日のライヴもまりんは『N.O.』演奏中、なぜかジュリーの『勝手にしやがれ』を熱唱。 ちなみに瀧は『OH!ギャル』をシャウト！）。 まりん： だってそうでもしねえともたないんだもん。 |
|
そんな感じで話もひと段落して３人はリハーサルへ。バンドの性質がそうであれ、1曲目の『ママケーキ』でサウンド・チェックを終え、舞台監督と構成を確認（さすがにこのときはマジメに取り組んでいた。当たり前か）して終わるというスピードに驚く。 時間にして30分弱!? 卓球に「いつもこんなに早いのか」と訊くと「今日は普段よりも長かった」と返され、またまたビックリ。まあ、メンバーが楽器を持つバンドではないんで当然と言えば当然なんスけどねー。 ── そしてそのまた1時間後、ライヴは定刻どおりスタート ── 今回のステージは卓球が言っていたように、昨年夏の野音のライヴをさらにスケール・アップさせたかなり前向きなメニュー。 もちろん全曲歌モノで、アルバム『オレンジ』の曲はもちろんのこと、かなり“ベスト・オブ”的な選曲。意外だったのは演奏時間の長さで、おそらく電気史上最長（約2時間）だったのではないだろうか？ ……だが、しかし。 全て見終わった後の感想としては、かなりツライ内容で、ヴォーカル・MC・パフォーマンスと、全てにおいて集中力に欠けていたような気が ── 。 それでも、ツアー前半で見た府中のライヴよりはいい意味でメニューがシェイプされており（曲のカットはなし）、構成のまとまりがあったのも事実。 果たして4月23日、電気にとって2度目の日本武道館公演。彼らはどのようなステージを見せてくれるのか？ 詳しくは次号にて！
いつもよりちょっと長めの“濡れてシビれて『ツアーめがね』スペシャル”いかがでしたでしょうか？ 今回のテープももちろん長いぞ。
希望するアナタはいつものようにRRN編集部『電気テープくれ』係までガシガシ送ってくれ。 ── ところで次号はいよいよ通算59回。
5周年、60回記念に向けて重大発表がある……かもしんないので要チェックだ！ |