卓球：　マイブーム？

瀧：　マイブームねぇ……。

卓球：　今回プロモーションいっぱいやったんだけど、色んな所で聞かれるんだよ、 その“最近のマイブームは、マイブームは、マイブームは、マイブームはっっ!!” っていうの……もっと聞かれたよな？

瀧：　聞かれた。

卓球：　マイブームだから自分で完結してればいいんだろうけど、要はネタ探しと して聞いてくるわけでしょ？　それで“いや、最近フィギアに凝ってて……”とか 言うと“じゃあすいません、そのフィギア何体かスタジオに持って来て下さい” ってことになるじゃん。語れるぐらいのマニアックなものならいいんだけど、生 半可なモンだったりするとカッコ悪いからさ、逆に。生半可でも平気な顔して言 ってるヤツとかいるよな。“いや、最近私はこれを集めてるんですよ”とか言って も4つぐらいでさ。

担当：　別に大した数でもなく。

卓球：　そうそうそう。“これは前にロスにプロモビデオの撮影に行った時に……” とか言って、思いっ切り下北に売ってるもの出してるヤツとかね。どうせそうい うのやるんだったらホントにマニアックで“おおっ！”って思わせるものじゃな きゃ、やっぱダメじゃない？　ナメられるし。そうするとないんだよね。どれぐ らいから線を引いてマイブームと言えるのか、ってのもあるし。俺、そういうの ないからな。でもそれ以前に、そいつが何に凝ってるかとか聞きてえか？

瀧：　聞きたくない。聞いてどうすんだっつーんだよなぁ。くれるのか、それを。

卓球：　かと言ってくれやしねえんだよな。

瀧：　アンケートの“嫌いな食べ物は？”と一緒。聞いてどーすんだ、嫌いな食べ 物を、っつー感じ。よくあるじゃん、アンケートの項目で“好きな食べ物・嫌い な食べ物”って。好きな食べ物だったらまだ分かる。例えば“お好み焼き”とか 言ったら、ファンが来て“お好み焼き好きなんですよね、食べて下さい”とかい うのがあるかも知れないし。でも嫌いな食べ物って聞かれて、例えは“納豆”っ て言って、納豆持って来られて“ほらぁ、納豆だぁ〜!!”とかやられてみ？

卓球：　オマエ、言ってたよな。アンケートで嫌いなモノを聞かれて、その嫌いな ものっていうのは結局弱点ってことだから、それを聞いてくるってことは、コイ ツは味方じゃない、ってことだって。

全員：　ダハハハハハハッ（笑）。

卓球：　それは確かにあるよね。でも嫌いな食べ物をファンの子が見て”あぁ、○○クンは これが嫌いなんだぁ”って思う、その先には何があるんだろうね。まぁ、 身長・体重とかは分かるけど。

瀧：　血液型とかね。

卓球：　うん。そういうのは分かるけど、嫌いな食べ物って……。好きな色とか、 嫌いな色とかあったりするじゃん？

瀧：　あるある、平気であるよ。

卓球：　それに即答できない自分に“あれ、俺が悪いのかな？”とか思ったりしちゃ うし。あと“自分を動物に例えると”とかさ。例えてどうすんだよ、って（笑）。

瀧：　“メンバーを動物に例えると？”とか。

卓球：　マトモに書いてる人いるのかね？

マネージャー：　いや、いっぱいいるんじゃないですか？　雑誌とか見ると。

卓球：　すっごいギッチリ書いてる人とかいるじゃん？　そういうヤツに限ってク ソ面白くもねえアンケートでさ。かと言って、ああいうアンケートに対して、み んながみんなウチらみたいにボケてたら全く成り立たないんだけどさ（笑）。

瀧：　アンケートじゃねえもん、俺らのは。

卓球：　ラジオとかでもたまにあるじゃん。“最近電気グルーヴを知りました。メン バーのプロフィール、好きな食べ物や血液型、身長体重、あと、彼女がいるのか いないのかを教えて下さい”っていうの。もう、すっごい無垢な文字でさ（笑）。カ ラーのペンとかで書いちゃって。

瀧：　“本名は何というんですか？”。

卓球：　って書いてあって、石野卓球、ピエール瀧、まりん、って書いてあって、 それぞれに矢印が書いてあるの。“ここに書いて下さい”って。

瀧：　知ってどうするつもりだ、って感じ。

卓球：　でも、そういう気持ちは分からないでもないじゃん？　確かに昔、自分た ちが若い頃とかにも、本名ぐらいまでは知りたいと思ったじゃん？

瀧：　うん。

卓球：　でも嫌いな食べ物を知りたいとは思わなかったよな？

瀧：　全然思わなかったねぇ。

卓球：　例えば“瀧、大好き”って人が、全国で4人ぐらいいるとするじゃん？　で “ピエール瀧の好きな食べ物・嫌いな食べ物は”とかを見てさ、“あぁ、なるほど ぉ〜、そうなんだぁ〜”って思って、繋がりを求めるのかな？　それを知った事 によって。何なの？　あれは。

担当：　嫌いなモノっていうのはねぇ……。

卓球：　まぁ、嫌いにスポットを当てるのはナンだけど、好きな人の事をより深く 知りたい、っていうことでしょ、要は。でさ、あげくその好きになった対象の趣 味趣向を真似るヤツとかいるじゃん？　例えば“納豆が嫌い”って言ったら“私も 納豆食べない”とかさ。

瀧：　その人になりたいのか、オマエは。

卓球：　あと不思議なのは、ビジュアル系のファンの子たちとか、コスプレしやす いバンドのファンの子たちってさ、その本人になっちゃうじゃん？　なってどう すんだ、っつーの！（笑）

瀧：　本人になってるよね、あれ（笑）。

卓球：　でも最近のビジュアル系バンドとかって、普通の女の人がしててもおかし くないようなメイクだったりするじゃん？　だからそういうの真似たりするのはす ごいいいことだよな。

瀧：　うん。最近のそういうバンドのさ、センターに立つ彼、いるじゃん？

卓球：　フミヤ役な。

瀧：　そうそうそう。あれ、みんなどんどん整った顔になっていってない？

卓球：　質上がっていってるもんね。

瀧：　負けてる女いっぱいいるよね。

卓球：　でも女も男に負けててどうすんだよ、って感じだけど（笑）。

瀧：　負けてんじゃねーよ、って感じ。

卓球：　でもファンの女の子達って、ヴォーカルの男の子のこと、綺麗だから好き、 っていうことなんでしょ？　それもすごい図式だよね。自分より綺麗なのにさ。

担当：　どういう心理なんでしょうね？

卓球：　少女マンガとか宝塚とかと同じでしょ。あとは思春期の現実逃避の気持ち であったりとか、すごい潜在的な性的意識、性的な欲望であったり。生身の男に 対する嫌悪感とか、それに対する現乗逃避にも繋がるんだけどさ。だって瀧から は絶対に距離あるでしょ？　男剥き出し！って感じだもん。男汁！って感じだも んな、瀧は（笑）。

瀧：　でも逆に俺みたいなのがビジュアル系の連中の中にいてさ、そういう綺麗な 男の子たちを引き連れて“俺がヴォーカル、歌わせろ！”っていうのはどう？

卓球：　でも、もうボチボチそういうのあってもいい頃だよね。

瀧：　ヴォーカル以外は全員美形！っていうバンド。“何でバックはバッチリ決ま ってるのに、歌うヤツがそれなんだよ……”っていうバンド。そろそろあってもいい よなぁ（笑）。