濡れシビ オンライン

第82回

次号、涙の最終回を迎える濡れシビ。今回は連載第1回目のRRN を見ながら、メンバー3人、思い出話に花を咲かせたのでした。
卓球: 瀧がアマチュア時代にさ。

瀧: 映像製作会社時代にな。

卓球: あるバンドのプロモーションビデオのADでな。こいつ、弁当買いに走っ たりしてたんだよ。で、弁当買って来たら、その弁当が凍っててな。メンバー全 員からブーイングを受けて……。

瀧: そしてもう1度、バナナを買いに行ったんだよ。“よし、今度はバナナだ!” とか思って。

まりん: 何でバナナなの?(笑)

瀧: 弁当屋がなくてさぁ、近くに。

マネージャー: その時、瀧さんは“すいません……”って感じだったんですか?

瀧: うん。

全員: ダハハハハハハハハッ(爆笑)。

瀧: “申し訳ございませんでした”って感じだったよ、ホントに。

卓球: それ、電気になる前だっけ?

瀧: 電気になるぐらいだな、ちょうど。

卓球: ……で、何回目だっけ?

担当: 82回です。

卓球: まりん、“もうそれは俺の役割じゃねえよ”って感じだな。

担当: で、先月お約束した濡れシビ1回目のニューズメーカーを持ってきました (実はひそかにこういう約束をしていた)。

全員: おぉ!

卓球: 表紙はHIS(細野晴臣、忌野清志郎、坂本冬美のユニット)かぁ。

まりん: 吉徳砂原発言の回か。

瀧: “濡れてシビれて 1”だよ。値段も520円。今は……680円か。

卓球: 最新号とこっちと、両方載ってるアーティストっているのかな。

まりん: いないんじゃないの?

瀧: いるのか?

卓球: それこそ電気じゃねえか? 下手すりゃ。電気とBOOM、それと真心ブ ラザーズか……でもさ、8年前に今のニューズメーカーをポンと渡されてな……。

瀧: “7年後、こうなるぜ”って……。

卓球: そう言われたら驚くよなぁ。“知らない人ばっかり!”って。俺らも7年間 ずーっと同じ位置にいるっていうのも、それはそれでヤバいな。ウルフルズなん て、ちっちゃい所から始まって、今はカラーででっかくなってるじゃん?

瀧: そうだよなぁ。周りは都市再開発してるのに、ウチだけ細々とやってる感じ。

マネージャー: でも1回目の面白さにはずーっと勝ってない、と思うんですけど。

まりん: (読んで)……普通だな。

卓球: いや、まだ普通。この面白さには勝ってる。もっと面白いところあるもん。 先月号とかも凄いよねぇ、出だしとシメ。最初ふざけといて、最後普通の事言って 終わっちゃってるもん。

全員: ダハハハハハハハハッ(爆笑)。

卓球: イヤな飲み会だもん、これ。

まりん: タチ悪いよ、今の方が。今の方が全然凄いよ(笑)。

瀧: まりんは21か、当時。

まりん: 21。間もなく29だからな。

瀧: おいっ! “俺たちが今年24だからな……”だって!

卓球: もう31じゃんなぁ!(爆笑) やっぱ、こんだけ長くやってると時の流れを 感じるな。

瀧: 感慨深いものがあるな。

卓球: だってまりん、21だぜ? 今の瀧と10才違うんだぜ? 当時のまりんは。

瀧: そうだぁ!(爆笑)

まりん: 10才も年上、って言われたら、もうオジサンだもん。

瀧: 俺の10才下はコレかぁ。

卓球: 当時のまりんが今の瀧に会ったら、ピビッてそうだもんな。緊張してそう。 “あ、瀧だぁ……” って。

担当: 80回以上やってる、っていう事実より、実際に1回目のものを持ってきた 方が、重みがありますよね。

卓球: ここが1番重かった。“俺たちが今年24だから”ってとこ……ふぅ……。

瀧: 何か……ドッとくるなぁ……。

卓球: やっぱ凄い。言葉を失ってしまう。連載1回目がこれってことは、まだまだ いっぱいあるってことだろ? ……ゾッとするよ。

まりん: 広告のコンポも古いもんなぁ。

卓球: でもうちのスタジオにあるコンポあるじゃん? あれ、これのシリーズの 1コ前のヤツだよ。この頃はもうさすがにCDでしょ? もうターンテーブルな いもんね。この時、どこに住んでた?

瀧: 91年……赤堤かな。

卓球: フロなし! 家に帰ったら“おばあちゃん”って書いてある湯飲みが置い てあった所。家に帰ると知らない猫がベッドの上で何匹も……。

瀧: “シャーッッッッ!!”って。

卓球: 家賃いくらだったの?

瀧: 4万5千円。オマエはあの頃は笹塚だったよな。

卓球: そう、俺は笹塚。でもフロなし、って凄いよなぁ。

担当: 当時は銭湯に通ってたんですか?

瀧: いや、隣の建物に友達がいたから、そこに入りに行ってた。

卓球: こっそりね(笑)。で、フロ入って家に戻ると猫が“シャーッッ!!”って (笑)。でもそうやって借りられたから長く住んでられたんだろ?

瀧: そうそうそう。

卓球: コイツ、フロは基本的にあんまり入らないから。

瀧: 流しで髪洗ったりとかしてたもん。

卓球: RCの清志郎が初めて武道館やった時に家にフロがなかったっていう有名 な話があるじゃん? コイツは電気で初めて武道館やった時、フロがないのはも ちろん、ガスと水道も止められてて。

瀧: 俺はガスも水道もなかった(笑)。だから家に帰ってもトイレにも行けなかっ たんだよ。

卓球: まりんは?

まりん: 俺は町田に住んでたよ。町田から電車通いで。

瀧: 電車がないから早く帰る、とか言ってたもんな。

卓球: ライヴ終わって、電車で帰ってたりしてたもんな。シンセを小脇に抱えて。

まりん: うん、各駅停車でね。

卓球: この頃はまだアルバムも出たばっかりで、印税も出てないんだよな。給料 もホンットにもう、まじりっけナシの10万だったからね。

担当: 年とか外見以外でこの8年で変わったな、と思うところってありますか?

まりん: いや、変わってるよ、色々。ほとんど違うでしょう。

卓球: 自分ではあんまり変わってないつもりでいるんだけど、こういうのを見た りすると、変わった事を痛感するね。

瀧: この頃の自分の部屋とかを想像して今と照らし合わせると、もう全然。

卓球: でも金銭感覚は明らかに変わったんじゃないか?

瀧・まりん: 変わった変わった。

まりん: 今だったら洗濯する暇がないから洋服買っちゃえ、とかあるけど、昔だ ったら2時間寝る時間を削っても洗濯してたからな。

瀧: だって銀行から10万おろすこと、全然あるもん、今なら。

卓球: 俺は全然変わらない。10万なんて絶対におろさないね。

瀧: でも俺もおろしてまた入れるんだよ。とりあえずおろして、見て、ニヤァ〜ッ として、それでまた入れる。で、また通帳を見てニヤァ〜ッと。

全員: ダハハハハハハッ(爆笑)。


ということで、いよいよ次号が最終回(涙)。豪華2ページでお送りしますん で、乞うご期待!です。感想のハガキは巻末の住所“濡れシビ”係までざんす。



※R&R News Maker 1998年6月号 (No.117), Victor Entertainment. p66 より転載

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