天久「まずは電気グルーヴ十周年記念アルバム『The Last Supper』発売おめでとうございます」

瀧「……モゴモゴ」

天久「……は？」

瀧「……モゴモゴ」

天久「あの、すいません。ことばが少々聞き取りにくいのですが…」

瀧「（口から人形の首を取り出して）さっきからありがとうって言ってるヌ〜ン！　ああ、もう！　せっかく新記録だったのに！」

天久「そ、それは失礼しました！　しかしいったい何の記録を？」

瀧「（無視して）さっさと質問に移れ！　このうどん粉人！」

天久「う…うどん粉人!?　いくらなんでもうどん粉人はないでしょう！　謝ってください！」

瀧「（オガクズをどんぶり飯にかけながら）たしかにうどん粉人は言い過ぎたヌ〜ン…。まあ、この棒で勘弁して欲しいダドン！（ニンマリ）」

天久「おっ、割と長いですね（ニンマリ）。いいでしょう、許します。ではさっそくですが今回のアルバムについておはなしを伺いたいのですが…」

瀧「はい、どうぞ（ネズミ面）」

天久「聞くところによりますと今回のアルバムはデビュー十周年記念といういうことで、電気にゆかりのあるゲストが多数参加されているそうですね」

瀧「その通りだヌ〜ン！　 電気がまだ地元の有志を集めた歩こう会だった頃からお世話になってるゾッケラーを始め、デビュー当時のメンバーCMJK、今ではシイタケ栽培の第一人者として顔も体型もすっかり変わったまりん。 他にも卓球の折り紙の先生SALADA和尚。ライヴサポートでもお馴染みのDJ TASAKAとキケロとKAGAMI。 オデをはじめてイカダに乗せてくれた吉田兄、コーネリアス小山田くん、手っちゃん、魔っくん、アイゴン、ヌケガラ、ダミやんビビン婆、牛鬼、ヤギシャブリ…と実に心強い＆風呂嫌いな仲間が集まってくれたヌ〜ン！（激しいまばたき）」

天久「それは頼もしいですね。あと今回はおまけの方もかなり豪華とか？」

瀧「初回版はボーナスCDと31ページのブックレット付き！　 ちなみにブックレットには死んだペットを蘇らせる呪文、高級メロンをすべて傷モノにする呪文、陰茎が下を向いたまま堅くなる呪文などが書いてあるヌ〜ン！　 是非お試しアレ！（地べたで爪切り）」

天久「それは楽しみですね。ところで電気といえば毎回風変わりなレコーディングが話題にのぼるのですがこのアルバムに関してはいかがでしたか？」

瀧「とにかくスケジュールが取れなくて大変だったヌ〜ン！　 特に今年はレコーディングと平行して、毎年欠かさず出店してる神田の古本市が重なった上に、例の事件（松田聖子＆神田正輝破局騒動）ダドン？　 おかげで養殖していたサソリが全滅だヌ〜ン！（飛び箱に尻もち）」

天久「それは大変でしたね」

瀧「（ようやくに手にしていたナタを置き）正直やってられないビッチ。 で結局、今回のレコーディングは当初予定していたバリ島から近所のラブホテルに変更になったんダドン」

天久「ラブホテルですか？」

瀧「まあ、でもそれはそれで興味深い体験だったヌ〜ン。 ラブホテルって部屋ごとに趣向を凝らしたコンセプトで飾られてるから何度行っても飽きないヌ〜ン！（空中で犬かき）」

天久「なるほど。例えばどんな部屋か印象に残りましたか？」

瀧「まず最初に入った部屋は漁村の納屋をイメージしたSMルームだったヌ〜ン。 天井から使い込まれたモリや腰まで履けるゴム長が掛けられ、床にはからまった投網やさばいたままのウナギが散乱してたヌ〜ン（母親を捜す目）」

天久「ほほう。他には？」

瀧「あとはレコーディング終了後もプライベートでたびたび通ってる牛舎ルームダドン（踊る交通整理）」

天久「牛舎ですか？」

瀧「（猿の口を手で開き中をのぞき込みながら）おびただしい数の牛糞を飛び越えながら無事干し草のベッドまでたどり着けたときの達成感がまた格別なんだヌ〜ン！　 それにサービスとして無料で飲ませてくれる牛乳の美味さったら！」

天久「そんなに美味しいのですか？」

瀧「人肌に温められた牛乳がドラム缶にいっぱい！ それを黒いゴムのチューブでチュッチュと吸うわけダドン！」

天久「チュッチュですか！」

瀧「そう。もう深夜から翌日の昼過ぎ位まで。 チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、………」

天久「（手の平にのせた味のりの袋を）バーーーン!!!」

瀧「ギャギャッ?!　ハッ！　オデ？　いままでいったい……」

天久「お目覚めですか？　でもたしかにそうですね。牛乳は人肌に限ります」

瀧「牛乳？　人肌？　なに寝ぼけたこといってんだヌ〜ン。 オッ！　そういえば！（ブリーフから大量のウズラ卵を取り出して）　ヤッター！　新記録だー!!」

天久「えっ？　いったい何の記録ですか？」

瀧「（無視して）黙れ！　このうどん粉人!!」

天久「ひどいじゃないですか！　またうどん粉人なんて！」

瀧「（また無視して）黙れ！　このうどん粉人!!」

天久「（勢い良く切り株の椅子から立ち上がり）いい加減にして下さいよ、瀧さん！」

瀧「（当然無視して）黙れ！　このうどん粉人!!」

天久「（憤慨して）もうそれはイイですから」

瀧「（とどめに！）黙れ！　このうどん粉人!!」

天久「（床にスイカを叩きつけて）ああ〜！　もう〜イヤッ!!」