インタビュー・文／天久聖一

― まずはラヴ・パレードお疲れ様でした。今年もすごい盛り上がったそうですね。

石野「そう！　（両手を大きく広げて）こ〜〜んなにネ！」

瀧「いや、そんなもんじゃなかったネ！（母親を探す迷子の表情で部屋を徘徊しながら）　こ〜〜んなに、こ〜〜んなに……ウェ〜〜ン！（号泣）」

― 不安になるほどの盛り上がりだったわけですね。

瀧「（ケロリと泣きやんで）うん。実際に迷子も多かったみたいよ、今年のラヴ・パレードは。オデもずいぶん親と間違えられた」

石野「あと、今年は遂に死者も出たんだよね」

― えっ？　本当ですか？

瀧「詳しいことは分からないけど誰かがケンカして刺されたみたいよ」

石野「そう、蜂にネ！」

― 蜂に！　ところでそもそもラヴ・パレードはどういったお祭りなんですか？　また男女間に友情は成立すると思いますか？

石野「セクシャルな友情が認められるならネ！（照れ＆半勃ち）　 あとラヴ・パレードだけど、これはドイツのベルリンで年一回行われるテクノのお祭りなんだ。 今年は電気グルーヴとしてライヴを、ボク個人としてはDJとして参加しました」

― その額のスタンプが参加の証ですね。

石野「そう、今年はウサギ年だからウサギのスタンプ、ボクは去年も参加したからお尻にはトラのスタンプも！　 この調子で十二支全てを揃えるのがボクの夢なんや！」

― そうなんや！（笑）　で、いかがでしたか？　本場ベルリンでのライヴの反響は。

瀧「大ウケだったね。今回、電気のテーマは“からくり時計”だったわけだけど 石野のハンドベルに合わせてオデがおみくじを運ぶ姿は地元の失業者からも大好評だったみたいね」

石野「審査員も全員ランプ2個つけてくれました」

― それはスゴイですね。

石野「まあね（照れ）」

― DJの方はどうでした？　今年は何を回されたんですか？

石野「去年の樽に代わって、今年は風車を回しました。しかも2本！」

― 同時にですか？

石野「もちろんです。エヘ！」

― 他に気になるDJとかいましたか？

石野「日本から参加した鶴光はよかったね」

瀧「曲と曲の間をハガキでつなぐのっていままで有りそうで無かったテクだしょ？　彼は今後、間違いなくブレイクすると思うよ」

― 日本の鶴光、要チェックですな。 ところで聞くところによるとお二人はベルリン滞在中にとんでもない大発見をしたそうですね。

石野「あぶっ！（口から酢豚を吹きこぼしながら）　そ！　大発見！　大発見!!」

瀧「（囲炉裏の隣で器用にワラジを編みながら）と、言っても朝勃ちした状態でするオシッコのことなんだけどね」

― ……それはまた興味深い話ですね。是非お聞かせ下さい。

石野「（墓前に供えた焼酎をグイっと飲み干し）朝勃ちした状態でオシッコをすることって男なら誰しもあるよね」

― ええ、ありますね。

瀧「（開け放した和式便所から首だけ振り向いて）その時にするオシッコって二股に別れるでしょ！　角度にすると65度くらいなんだけどさ」

石野「（一升ビンで農薬を調合しながら）その二つに別れた尿を両方とも便器の中に入れることは、 どう考えても便器のキャパシティを超えてて無理なんだよね」

瀧「（革の手帳に愛人の電話番号を書き込みながら）で、 断腸の思いでどちらかの尿を犠牲にして片方の尿だけ便器におさめるということになるんだけど、 犠牲にした尿は自分の太股にかかるか床を直撃してしまうと…」

石野「我、泣き濡れてカニと戯る、の心境なんだけどさ」

― はあ、それは大発見ですね。

瀧「まあね！（照れ＆プ〜ン）」

― 瀧さん、何かポーチから半透明の汁が垂れてますけど……。

瀧「（指摘を無視して）あと、床にこぼれた尿をトイレットペーパーで拭く姿って笑えるよね」

石野「うん、何が笑えるってパンツをずらしたままちょっと前かがみになってトイレットペーパーをグルグル巻いてる自分の姿！」

― 瀧さん、汁が……

瀧「（さらに指摘を無視して）それとトイレにまつわる話でもう一つ発見したんだ！」

石野「これはスゴイよ！　例えば居酒屋でみんなで飲んでる時にトイレに行くでしょ？　 で、オシッコし終わった時ズボンにオシッコのシミが付いてることってあるよね。アレ？　オレ誰と電話してたっけ？」

― いや、ずっとここで話してましたけど。

瀧「それでそのオシッコのシミをどう隠すかってことなんだけど…アレ？　なんだか死臭がしない？　オデだけ？　ねえ！」

― 瀧さん、その死臭はポーチから！　もう！　ちょっと…聞いて！

石野「で、まず考えられるのが洗面所で手を洗った後、手を拭かずに両手がビショビショに濡れたまま席まで戻ってズボンで拭くワザ？　 ハンカチ持ってないことをみんなにアピールするんだよ！　アレ？　オレこれと同じこと留守電で言わなかったっけ？」

― ……初めて聞きましたけど？

瀧「これ、絶対に死臭だよ…」

― はあ。（虚脱）

石野「でもさ、明らかにそれはオシッコだろうって分かるシミの時もあるよね」

瀧「その場合はさ、洗面所の水道の蛇口をひねり過ぎて水が勢いよく噴き出してしまったことをアピールすればいいのさ！　 一種のトリックだよね」

石野「ズボンだけじゃなく上着まで濡らすとかね！」

瀧「いっそのこと頭から水をかぶって全身ビショ濡れになるのもいいよ、マジで！」

石野「そう。こうなるともうオシッコのシミどころじゃなくなって別の問題になっちゃうからね」

瀧「逆にみんなに心配されるからね。キミ大丈夫かい？ってさ」

石野「実はこれ、ラブ・パレードの時に本当にあった話なんだ。みんなで食事をしてる時に瀧が便所からズブ濡れで戻ってきたんだよ。 ピチャ、ピチャってね（笑）」

― 本当にあった話なんですね。

石野「ねえ、コレ盗聴されてない？」

瀧「わっ!!　ポーチから汁が出てる！」

― かなり話が横道にそれましたので話題をラブ・パレードに戻しましょう。石野さんは今年のラヴ・パレード、娘さんと一緒に行かれたとか？

石野「ええ。でもちょうどラヴ・パレードの時期にGLAYのコンサートがありましてね、娘はそっちに行きたがっちゃって説得するのが大変でしたよ。 なんでも最近、娘がテルトの追っかけを始めましてね〜」

― テ、テルト、ですか？

石野「（明らかに憤慨した様子で）アンタそんなことも知らないの？　テルト！　照らすの照に網戸の戸、GLAYの照戸ですよ」

― あ〜〜（困惑）、あの照戸ですね。で、どの辺まで追っかけてるんですか？

石野「不審船に乗って玄界灘沖まで追っかけてるようなんです。困っちゃいますよ、もう歯は生えないし（前歯ゼロ）」

― 大変そうですね〜。ところで瀧さんはベルリンで何か不思議な体験をされたとか？

瀧「向こうで日本のアニメをみたぞぇ！　しかも日本じゃとっくに終わってる昔のアニメ!!　 きっと距離の関係で電波が届くのが大幅に遅れているんだろうな〜」

― その通りでしょうね。他には？

瀧「ろくろっ首を見た！　ホテルで日本のアニメを見てた時、ふと窓の外を見るとドイツ軍のヘルメットを被った外人の男性と目が合った！　 しかもオデの泊まったホテルの部屋は10階！　あれは絶対ろくろっ首だね！」

― 間違いなく、ろくろっ首でしょうね。では最後に石野さんに伺いますが、8月にまたヨーロッパヘDJツアーに行くそうですが、今回はどちらへ？

石野「今回はオランダ、ドイツ、ブルガリアへ行く予定です」

― ブルガリアは初めてですか？

石野「そうですね。ブルガリアでやるイベントは皆既日食の日に合わせてやるみたいなので今からワクワクしてるんです」

― 皆既日食ってことは……怪奇っぽいイベントになりそうですね。

瀧「あっ、ろくろっ首だあ！」