瀧：　どうだった。

卓球：　もう最高！　抱腹絶倒。笑った笑った、まりんのブラックユーモアには。 要所要所、気のきいたパーティージョークはさんじゃって（笑）。しかし思うけど、こいつ最近逃げが多くねえ？

瀧：　多い多い、すげえ多い。

卓球：　対談する相手、選んでみたり。

まりん：　いや、そうじゃなくて……単に、共通の表題がないと俺、黙っちゃうから。相手に失礼だし。

卓球：　そんな、共通の話題なんていっくらでもあんだからさ。例えば、小さい頃どんなテレビ観ましたかとか、それでいいんだよ。

まりん：　あ、なるはどね。

卓球：　だから、これからは対談だって、そうひっこみ思案にならずにさ。人と会うことは、自分の幅を広げることなんだから。なっ？

まりん：　んー……

卓球：　よしわかった。じゃ、募集しよう。まりんと対談したいミュージシャン募集。 都合のいいことに、ニューズメーカーに対談のコーナーあるじゃん。

瀧：　逆におまえ、誰だったらいいわけ？

まりん：　う〜〜〜ん………

卓球：　ある程度、かけ離れたジャンルの人の方がいいよな。

まりん：　そうかなぁー。

卓球：　そうだよ。知り合いの人とオタクな話するのに快感を覚えてたんじゃダメだ。もっとスリルを……

まりん：　俺、そのスリルがダメなんだよ。それに雑誌をさ、俺のそういう練習の場に使っちゃ、悪いじゃん。

卓球：　そんなの、読み物として面白けりゃいいんだから。ライターさんだってプロなんだからさ。

瀧：　ニューズメーカーでやりましょうよ。誰がいい？　…あ、民生くんがいいじゃん。顔が似てる同士対談。

まりん：　メーワクだよそれ、メーワクだよ！（真剣）

卓球：　いや、確かにそれはあるけどさ、当たって砕けろだよ。 とりあえず、こっちは新人だし、喋りもあんまりうまくないんですけどっていう姿勢でな。 あっ、あとさ、女は？　女だったらこいつ、調子に乗るからさ。

まりん：　いや……俺ほんとに、そういうのダメなんすよ、なんか知らないけど。

瀧：　じゃあ、おまえ女の子とデートした時、なに話すわけ？

まりん：　わかんない、そんなの意識してないもん……

卓球：　俺達はそういう時どんな話するか教えてやろうか。……で、最初の話に戻るわけだ。名前の話。

瀧：　うまくもってきたな（笑）。

卓球：　あのね、道下さん（注・本誌担当）気を悪くしないで下さいね。 さっき三人で「“名は体を表す”ってあるよな」って話しててさ、 「そういえば道下さんの名前もさ、道の下っていうのはけっこう…弱いんじゃないかな」って（笑）。

瀧：　下とか、影とか、薄いとかいう文字ってさ、名前に入ってると、ビジュアル的な印象がやっぱり……

卓球：　で、そういうのを自分たちにあてはめて考えた時にさ、「瀧」「石」「砂」っていうのはすごい、表してない？　 例えば瀧、この豪快な（笑）。

瀧：　ドップ〜〜〜ン！

卓球：　人の迷惑も省みず、年がら年中24時間、うるさい音をたてながら（笑）。で、俺。石の野原。 ま、確かにプラスなイメージはないけど、不動な感じはする。

瀧：　頑固そうだな。

卓球：　そして砂原だ。これが指の間からサラサラとこう、つかみどころのない。しかも原っぱ。延々と続く（笑）。

瀧：　頼りないなぁ（笑）。

まりん：　砂なんて役にたたないしな。植物は育たないし。

瀧：　何かさ、砂って、気持ちをブルーにさせるじゃん（笑）。

卓球：　ハッピーにはさせないな、確かに。でも、砂も砂なりに考えてんだよ。 砂のパブリックイメージが悪いから、ちょっとでもポップにしようと思って、星の砂とかさ、形変えてみたり。 でも悲しいかな、星の砂ってやっぱり、ディープなもんじゃない（笑）。もらっても嬉しくないじゃん、なんか物悲しくて。 あと、歩くとキュッキュッていう砂、なんだっけ。

瀧：　鳴き砂？

卓球：　うんうん、それとかさ。もう、ろくなもんじゃねえ、砂って。

瀧：　だからさ、俺が瀧で、川の上流。石が中流で、砂は下流だ（笑）。俺が根源、みなもとだって感じだな。

卓球：　ちょっとしゃくだけど、こいつが上流が転がされてきて、だんだん削られてきたのが俺。 それがさらに削られて、さらっさらになっちゃったのがまりんだ。 …まぁでも、俺たちの名前なんかはわりと感覚的なもんだけどさ、世の中、もっとすげえネガティブな名前あるよな。 誰が見ても、みたいな。死とか、灰とか。

まりん：　でもさ、死がつく名前なんて聞かないじゃん。

卓球：　だからさ、これも募集しよう。読者で、名前に死がつく人。その人には、なんかあげよう（笑）。

まりん：　そりゃなんかしてあげないとかわいそうだよな。

卓球：　あとやばいのは、やっぱりあれだ、動物関係（笑）。牛田とか、猪瀬とか…

瀧：　猪木とかな（笑）。

卓球：　猪木はもう、動物とかそれ以前の問題だけど（笑）。あとさ、ドリフ関係は、俺達の頃は絶対まずかったよな。

まりん：　まずかったまずかった。

卓球：　名前自体はまずくないんだけどさ、やっぱ志村、仲本っていうとさ…加藤なんて、あだ名はどう考えても茶じゃん？　 あと、うちらのマネージャーの後藤さん、名前伸一じゃん。で母方の名字が森。 もしその名前だったら、彼は今ごろここにいないと思う（笑）。

まりん：　俺は母方の名字は片岡だから…

卓球：　あだ名はやっぱりツルだろうな（笑）。しかし瀧っていうのはこいつにぴったりの名前だけど、おまえのは間違ってるな。

まりん：　え、そう？

卓球：　ぴったりな名前をつけてやる。おまえは、影山か薄井にしろ（笑）。

瀧：　今日から影山だ、影山。影山ジェット吉・通称まりん。

卓球：　おい影山、タバコ買ってこい（笑）。